top of page

【事務局活動報告】小松和彦先生の退官記念講演会に参加しました

  • 2020年11月15日
  • 読了時間: 4分

小松和彦先生の退官記念講演会に参加しました。 

関西たちばな会会長 渡辺 実

 秋も日に日に深まって行きますが、コロナ感染が一向に収まらない中、会員の皆様はお変わりなくお過ごしでしょうか。近況報告をさせていただきます。

 10月30日に、国際日本文化センター(日文研)所長を定年退官されました小松和彦先生の退官記念講演会が開催されました。この3月に退官され、春に予定されていた記念講演会ですが、ご承知のようにコロナ感染の影響で、この秋まで延期されていました。

 開催された講演会ですが、コロナ感染対策として一般の参加者を絞る中で、小松先生のご厚意で、山極顧問、鈴鹿副会長、私の3名で記念講演を聞かせていただきました。日文研のホールで行われる講演も、コロナ感染以降で再開された最初の講演会だそうです。

 はじめに、現所長の井上章一先生から小松先生のご紹介があり、「所長は挨拶をするのが仕事だからと言われたが、コロナで挨拶の機会もなく、今日がその挨拶の本番です」との開会のことばがありました。

 講演のテーマは、「私の学問人生と日文研」でした。小松先生の1時間半のご講演はあっという間でした。前半は、先生のご研究の系譜のお話があり、研究の動機やきっかけなど、どの時代においても興味深く、恩師や友人、教え子など、人との関係の中で研究を楽しく進められてきたことがよくわかりました。後半は、今興味を持たれている「ウトウ」の研究のお話で、神社の成立の経過には、その土地の人々の思いや出来事が詰め込まれており、もっと聞きたい思いでした。

 先生のご研究は、関西たちばな会の発会記念でお話いただきましたので皆さんもよくご存じだと思います。妖怪研究や「憑き物」のご研究で多くの業績がありますが、発端は幼少期に過ごした函館での暮らしにあったようです。家のそばに墓地があったり、多数の死傷者を出した洞爺丸事件を目の当たりにしたりことが、心に大きく残ったようです。

 そして、国高時代は、バレー部と文学研究部に属され、文学研究部の先輩から強制的に柳田國男を本を読まされ、それが民俗学との出会いだったと述懐されていました。小松先生も文武両道で、この頃から国高生の文武両道のスタイルができてきたのでしょうか。

 その後、大学で「憑き物」信仰に出会い、今に至るまでの研究課題となっています。小松先生のご研究ではじめて知ったのは、ミクロネシア調査団に参加され、離島ポンナップの伝統文化の調査もされていたことです。海に突き出た一軒家を島の人達が作ってくれたとのことで、それだけ、現地に溶け込んでの研究だったようです。現在でも島の方との交流が続いているとのことです。

 講演の後半では、「ウトウ」の研究の話がありました。「ウトウ」とは「善知鳥」とも書き、海鳥のことのようです。青森県に「善知鳥神社」というのがあり、この神社のホームページもありますので、由来等に興味のある方は是非ご覧下さい。

 神社の由来によれば、ウトウを神からの使いとして崇めたようです。しかし、私の勝手な解釈を許していただけるなら、このウトウを食用として食べたところ体調を崩したことから、このウトウを祭って、ウトウの祟りを鎮めたのではないかと妄想を膨らませていました。いにしえの、鳥インフルエンザだったのかもしれないと、帰りの車の中で話していました。楽しく講演の時間を過ごせさせていただき、ありがとうございました。

 閉会の辞では「小松先生のご講演が、今日は生き生きとしていました。所長の重責から解放されたことがよくわかりました」との話があり、そうだろうなと納得しました。

 昨年2019年1月には、平成天皇が受けられる最後の講書始の儀において、妖怪文化研究のご進講をされたそうです。天皇陛下も妖怪に魅せられたのではないでしょうか。

 長年の教員生活と研究生活、そして管理職としてのお仕事、お疲れ様でした。どうぞ、お体を大切にしていただき、これからも興味深い研究を続けていただきたく思います。そして、民俗学を通じて、私たちを素朴な未知の人の世界に導いていただきたく思います。(ご講演は、後日、日文研のホームページにて配信されるようです。是非ご覧下さい。)

 ご講演前に撮らせていただいた写真を添付いたします。

2020/11/08

 
 
 

コメント


最新記事
アーカイブ
タグから検索
ソーシャルメディア
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square
bottom of page